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  「古今和歌集打聴」  嘉永二年 補刻版  (八冊本)    (サイズ: 18.3cm X 26cm)
     
 
       
 
  八冊目の最後にある刊記                                       一冊目の表紙             
 
       
 
  八冊目の刊記の前にある目録  
 
       
 
  上の目録の赤枠部分を拡大  
 
  「打聴」のすべての刊行が終わったのが、この刊記にもある通り寛政元年(1789)なので、嘉永二年(1849)と言えば60年後である。目録には廿冊(二十冊)とあるが、実際には八冊なので、後に合わせられたものと思われる。

  また目録の「打聴」の隣りには「同 鄙ことは」として尾崎雅嘉の「古今集鄙言」が「古今集の歌を俗語に訳して云々」という宣伝文つきで載っているのが見える。
  この「古今集鄙言」は、「遠鏡」が刊行される前年の寛政八年(1796)に出版されたもので、宣長が長男の春庭(1763-1828 :1794に失明)に宛てた寛政八年(1796)の手紙の中で、冗談か本気かわからないが、「いよ/\遠鏡をぬすみ候様子に見え申候」(「本居宣長全集 第三巻」 (1969 大久保正 筑摩書房)の大久保正氏の解題より)と書いている本である。
  その雅嘉の「古今集鄙言」も、天保四年(1833)に刊行されてベストセラーになった「百人一首一夕話」(この目録の左下にも「同 ひとよかたり」としてやはり宣伝文つきであるのが見える)の影響もあってか、
嘉永二年(1849)当時も、売れ続けていたことがわかる。
 


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