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       題しらず 読人知らず  
526   
   恋ひ死ねと  するわざならし  むばたまの  夜はすがらに  夢に見えつつ
          
     
  • わざ ・・・ 行い
  • すがらに ・・・ その時間が過ぎるまでずっと
  
夜ずっと夢に出てくるのは、恋死にをせよということらしい、という歌。ようやく夢で逢えたと思ったら今度は出てきすぎて、実際には逢えない辛さがつのるばかりだ、ということを言っている。

  「恋死ぬ」ということを詠った歌はこの歌や 492番の歌など全部で十首あるが、その中で 「恋死ぬ」という言葉にこだわって、その意味について詠っている歌としては、次の読人知らずの歌と清原深養父の歌がある。

 
517   
   恋しきに   命をかふる  ものならば  死にはやすくぞ   あるべかりける
     
698   
   恋しとは   たが名づけけむ  ことならむ  死ぬとぞただに   言ふべかりける
     

( 2001/10/29 )   
(改 2004/03/14 )   
 
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