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       題しらず 読人知らず  
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   秋の田の  穂の上を照らす  稲妻の  光の間にも  我や忘るる
          
        秋の田の稲穂に光る稲妻のほんのわずかな間でさえ、あなたのことは忘れません、という歌。「秋の田の穂」が出てくるのは 「稲妻」と 「稲」でつながっているからである(「稲妻」は 「稲の夫(つま)」から来ているといわれる)。

   "照らす" とは、なんとも悠長な表現のようにも感じられるが、その後に来る恋の嵐・雷鳴の前触れを表しているという見方もできる。

 
( 2001/12/03 )   
(改 2003/12/23 )   
 
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