Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻四

       題しらず 読人知らず  
246   
   ももくさの  花のひもとく  秋の野に  思ひたはれむ  人なとがめそ
          
     
  • ももくさの ・・・ 多くの種類の (百種の)
  • たはれむ ・・・ たわむれよう (戯(たは)る)
  
多くの種類の花がほころぶ秋の野に、心を遊ばせよう、誰もとがめだてするな、という歌。

  この歌の中心は "花のひもとく" という表現であろう。 "思ひたはれむ" と合わせて「紐を解き乱れる」というイメージを表している。その意味でこの歌は 238番の平貞文の 「おほかる野辺に 寝なましものを」というオミナエシの歌に通じるものがある。また、一応「思ひ+たはれむ」と 「思ひ」を付けて、「想像上だけだけれどもね」と抑えをきかせているところは、 236番の忠岑の 「見ましを」の 「まし」にも共通する気持ちだろうか。

 
( 2001/11/05 )   
(改 2004/03/12 )   
 
前歌    戻る    次歌