題しらず | 読人知らず | |||
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"雪げ" を 「雪どけ」とすると春に近い感じだが、ここでは一つ前の 319番の歌の流れから、単に雪が溶けることを指していると思われる。 「奥山の雪」を詠った歌としては、551番の読人知らずの「奥山の 菅の根しのぎ 降る雪の」という恋にからめた歌や、次の読人知らずの歌のように厭世にかけた歌などもある。 |
954 |
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また、この歌の主旨からははずれるが、"雪げ" に春を感じ、"今まさるらし" の 「今」を重く見れば、そこから連想されるのは、冬の間、氷に閉じ込められた秋の紅葉のイメージである。それが川の増水と共に溶け出し流れると考えると、この歌はまるで 4番の「こほれる涙 今やとくらむ」という二条の后の歌の別バージョンのようにも思えるが、やはりそれは考え過ぎであろう。 |
( 2001/10/04 ) (改 2005/11/18 ) |
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