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古今和歌集の部屋
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巻六
題しらず
読人知らず
321
ふるさとは 吉野の山し 近ければ ひと日もみ雪 降らぬ日はなし
み雪 ・・・ 雪の歌語
"ふるさと" は旧都やかつて住んでいた場所など、昔なじみの所を指す言葉。
「ふるさと」は吉野の山が近いので、一日として雪が降らない日はない
、という歌である。作者がその 「ふるさと」に来ての歌なのか、「ふるさと」を思いやっての歌なのかは判断しづらく、どちらともとれる。
この歌の "ひと日もみ雪 降らぬ日はなし" と似た表現としては、
487番
の読人知らずの恋歌に「ひと日も君を かけぬ日はなし」というものがある。
また、この 「ふるさとに降る雪」が、季節が流れて春も終わりになると、次の読人知らずの歌のように花に変わると見るのも面白いかもしれない。
111
駒なめて いざ見にゆかむ
ふるさとは
雪とのみこそ
花は散るらめ
( 2001/10/16 )
(改 2003/12/01 )
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