小野の千古がみちのくの介にまかりける時に、母のよめる | 小野千古母 | |||
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小野千古(ちふる)の母について、「古今和歌集全評釈(中)」 (1998 片桐洋一 講談社 ISBN 4-06-205980-0) では「千古は小野道風の息だから、その母は道風の妻」とあり、「作者別年代順 古今和歌集 増補版」 (1990 小沢正夫 明治書院 ISBN4-625-41097-5) では「小野道風の娘といわれるが、年代的に疑わしい」とある。小野道風の生没年は894-966なので、千古が道風を父とする子で、910年代(古今和歌集の増補が終わったと思われる年代)に陸奥介になる年齢に達しているとは考えずらい。道風の孫ではなおさらである。よって、小野千古もその母も仔細不明ということだろう。 歌の内容は、親が子の身を案じて添わせてゆく心だけは、関所といっても止めないでください、ということ。母親が自分自身のことを指して "たらちねの" と言っている点にどことなく違和感を感じるが、そういうこともあったのだろう。他に陸奥へ行く人に贈った歌としては、380番に「思はむ人に 心へだつな」という貫之の歌がある。 |
( 2001/11/14 ) (改 2003/12/04 ) |
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