題しらず | 読人知らず | |||
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万葉集・巻十一2649に次のような 「蚊火」の歌があり、 あしひきの 山田守る翁(をぢ)が 置く蚊火(かひ)の 下焦れのみ 我が恋ひ居らく 万葉集・巻十九4218には、次のような大伴家持の歌もある。 鮪(しび)突くと 海人のともせる 漁り火の ほにか出ださむ 我が下思ひを この歌の 「下もえ」は、その 「下焦れ(したこがれ)」/「下思ひ(したもひ)」のようなものであろう。 「山田守りの老人の蚊火」/「漁をする海人の漁火」と、この歌の 「宿にふすぶる かやり火」を並べてみるのも面白い。また、この歌の "夏なれば" という出だしは少し説明的すぎるような感じだが、582番の読人知らずの歌に「秋なれば 山とよむまで 鳴く鹿に」というものがあり、並べてみるとよいペアに見える。 |
( 2001/11/27 ) (改 2006/04/10 ) |
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