題しらず | 読人知らず | |||
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恋をしないと御手洗川でした禊ではあるけれど、今の自分の状態を見ると、神は願いを聞き入れてくれてはいないようだ、という歌。恋しい気持ちを落とすためにした禊だけれど、恋しい気持ちのままでした禊なので、結局、禊によっても消えない思いを確認しただけだった、という感じである。 「恋せじ」という否定に 「神はうけず」という否定が返ってくるという面白い歌である。 推量の助動詞「けらし」を使った歌の一覧は 59番の歌のページを参照。 御手洗川は神社の傍にあって禊などをする川。上賀茂神社(京都府京都市北区上賀茂本山)の御手洗川が有名。なお、この歌は伊勢物語の第六十五段では、「在原なりける男」が詠んだという話になっている。 この歌の「恋せじ」は、「恋をあきらめよう」ということだが、似たような次の菅野忠臣(ただおむ)の歌は 「もう恋しく思うのはやめよう」と詠っているもので恋歌五に置かれている。 |
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また誹諧歌として分類されている 1022番の読人知らずの「いそのかみ ふりにし恋の かみさびて」という歌は、古い恋が 「祟る」と詠っていて、この 「禊」の歌とどことなくつながるものを感じる。 |
( 2001/12/06 ) (改 2004/01/18 ) |
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