返し | 橘清樹 | |||
655 |
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この歌は一つ前の 654番の歌が「密かに愛し合う二人のどちらかがもし恋死にをしたら、誰のためと世間に言って喪服を着ましょうか」と言っているのに対する返しで、泣いて恋しがる涙で袖が濡れてしまったら、着替えるついでに夜こっそり喪服を着よう、という歌である。 元の歌が 「誰によそへて」(=誰のためと言って)としているものを "夜こそはきめ" (=誰も見ていない夜に着よう)と答えているのだが、これが相手の気持ちをいなしたものであるかどうかは、歌だけからではわからない。 「とにかく今は秘密のままでいよう」というメッセージである。 |
( 2001/12/06 ) (改 2004/01/05 ) |
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