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       題しらず 読人知らず  
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   君やこむ  我やゆかむの  いさよひに  真木の板戸も  ささず寝にけり
          
     
  • いさよひ ・・・ ためらい、あるいは陰暦十六日の夜(の月)
  • 真木の板戸 ・・・ スギやヒノキで作られた戸
  
あなたが来るか、私が行こうかとためらっている内に「真木の板戸」も締めずに寝てしまった、という歌。背景に 「いさよひの月」を持ってきてその迷いを象徴させているような歌で、次の 691番の歌とその月でつなげて置かれているようである。 "我やゆかむ" と言っているが、これは 「いっそのこと私が行こうか」ということで、女性が待つ歌である。

 
( 2001/11/28 )   
(改 2004/01/08 )   
 
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