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古今和歌集の部屋
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巻十四
題しらず
素性法師
691
今こむと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
長月 ・・・ 旧暦九月
有明の月 ・・・ 陰暦の二十日過ぎに夜が明けても出ている月
すぐに行くよ、とあなたが言ってよこしたので、この長い九月の夜、待ったままで有明の月を出してしまいました
、という歌。百人一首にも採られている。 "今こむ" を 「そのうち行くよ」という意味にとって、長月の頃まで待った、と見る説もある。
また、「待ち出づ」という言葉のニュアンスがわかりづらく、一般的には 「待って出させる」という意味であるとされる。秋の夜長を独りで過ごし、ふと見るともう明け方の 「有明の月」が出ているという感じか。
( 2001/11/21 )
(改 2004/01/08 )
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