Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻十八

       題しらず 読人知らず  
987   
   世の中は  いづれかさして  我がならむ  行きとまるをぞ  宿とさだむる
          
     
  • さして ・・・ 指して
  
この世の中はどこを指して自分の居場所と言えるのだろう、途中足を止めた所を宿と定めよう、という歌。 "我がならむ" という部分がわかりづらいが、歌の後半からすると 「我が(宿)ならむ」ということのようである。旅であれば、行き着いた所で宿を求めるというのは普通のようだが、この歌では 
"世の中は" と言っているので、この世は所詮旅のようなもの、自分の家と確定したものは無いのだ、という感じで詠っているものと思われる。

 
( 2001/11/27 )   
(改 2004/02/09 )   
 
前歌    戻る    次歌