雪のうちの梅の花をよめる | 紀貫之 | |||
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枝にちょこちょこと白いものが乗っている、見ただけでは雪だか花だかわからない、その香りを頼りに折りにゆくのだけれど、それさえ紛れてしまうとしたら、もうどれが花やらわかりません、という軽い感じの歌であろう。雪の中の梅なのでまだ季節は早く、実際に梅の花が香ることはないが、かつての梅の香りのことを思い出すと...という含みがあるのかもしれない。この歌の "わきて折らまし" は、続く 337番の 「木+毎=梅」という趣向の友則の歌でも使われている。 「わきて」という言葉を使った歌については、255番の歌のページを参照。 季節を3/4周して次の藤原勝臣(かちおむ)の秋の歌の 「梅の枝」と合わせて見るのも面白いかもしれない。 |
255 |
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"わきて折らまし" の 「まし」は反実仮想の助動詞で、その 「まし」が使われている歌の一覧は 46番の歌のページを参照。 |
( 2001/08/22 ) (改 2004/02/26 ) |
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