貞観の御時、りようき殿の前に梅の木ありけり、西の方にさせりける枝のもみぢはじめたりけるを、うへにさぶらふをのこどものよみけるついでによめる | 藤原勝臣 | |||
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同じ木の枝なのに片側だけ分けて木の葉の色が変わっているところを見ると、まさに西から秋が来たのですね、という歌。 "西こそ秋の はじめなりけれ" というのは、五行説で西が秋に割り当てられていることを指していると言われている。 「秋のはじめ」という言葉は、この歌の置かれている秋歌下という位置からすると合わないが、木の葉の色が変わり始める時の歌としてここに置いたのであろう。また、詞書からすると、詠まれているのは梅の木だが、オーソドックスなかたちとして 「梅の花がうつろふ」ことを詠んだ歌としては春歌上に次の貫之の歌がある。 |
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「わきて」という言葉が使われている歌の一覧は次の通り。 |
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また、「うつろふ」という言葉を使った歌の一覧については 45番の歌のページを参照。 |
( 2001/12/06 ) (改 2004/02/20 ) |
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