うたたてまつれと仰せられし時によみてたてまつれる | 紀貫之 | |||
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"くれぬ" は、年が暮れるの 「暮る」であるが、「暮る」には 「暗くなる」という意味がある。鏡に映る自分の影 「さへ」暗くなるというのは、年老いてゆく、ということを表していると思われる。三句目に突然 "ます鏡" と出てきて驚くが、こうした核になる言葉を一つ放り込んで、それに添って歌をしめくくるというのも一つの手法であろう。 貫之の鏡の歌としては 460番に「かみやがは」を入れた物名の 「鏡のかげに 降れる白雪」というものがあり、老いを詠ったものには 899番に読人知らずの 「年へぬる身は 老いやしぬると」という「鏡山」の歌がある。また、次の伊勢の歌も 「年をへて−曇る」ということを詠っていて、この歌での「鏡」の扱いと似ている点も感じられる。 |
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「さへに」という言葉を使った歌の一覧は 280番の歌のページを参照。 |
( 2001/09/20 ) (改 2004/02/17 ) |
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