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       あふひ、かつら 読人知らず  
434   
   人目ゆゑ  のちにあふ日の  はるけくは  我がつらきにや  思ひなされむ
          
     
  • はるけくは ・・・ はるか先になってしまうと
  • つらき ・・・ 冷淡さ
  • 思ひなされむ ・・・ みなされるだろう
  一つ前の 433番の歌と同じく、「あふひ」(=フタバアオイ)と「かつら」(=桂)の物名で、「のちに
アフヒの」と 「わガツラきにや」の中に詠みこんでいる。

  歌の意味は、
人目があるのを気にして、次に逢う日がずっと先になってしまうと、私が冷淡だと思われはしないだろうか、ということ。

  前の歌が 「逢えないのはあなたが冷たいからとしか思えない」と言っているのに対して、この歌で 「それは心が変わったわけではなく、人目を気にしているからなのに」と答えているように見える。どちらが男とも女ともとれ、歌の順序は逆でもよさそうである。葵と桂が賀茂神社の祭りの飾りということを考えれば、この歌は贈答歌というより、祭りの日の演劇でのセリフとしての歌のやりとりのように思える。 「つらし/つらき」という言葉を使った歌の一覧は 624番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/23 )   
(改 2004/01/20 )   
 
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