題しらず | 源宗于 | |||
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今晩逢えないまま夜が明けてしまったとしたなら、長い春の日のようにずっとあなたを薄情だと思って恨みましょう、という歌。 長いものの譬えとして「秋の夜」ではなく "春の日" をあてていることが特徴だが、すわりが悪いということなのか、「古今和歌集全評釈(中)」 (1998 片桐洋一 講談社 ISBN4-06-205980-0) によると、元永本などの伝本ではここが 「秋のよの」となっているそうである。また永治本という伝本では、"今宵明けなば" が 「こよみあけなば」となっているようで、歌としてはどうかと思うが、虚を突かれるという意味では面白い。 「つらし/つらき」とは、基本的に 「冷淡な」という意味であり、その言葉を使った歌は、古今和歌集ではこの歌を含め七首と意外に少なく、そのうち 433番と 434番の二つは 「あふひ、かつら」という物名の歌である。 |
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「つれもなき人/つれなき人」を詠った歌の一覧については 486番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/20 ) (改 2004/03/12 ) |
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