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       題しらず 読人知らず  
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   こむ世にも  はやなりななむ  目の前に  つれなき人を  昔と思はむ
          
     
  • こむ世 ・・・ 来世
  
もう早く来世になってしまってほしい、そうすれば今こうして思っている冷たい人も、昔のものと思うことができるのに、という歌。 「なりななむ」は 「なり+な+なむ」で、「成る」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の未然形+願望の終助詞「なむ」で、「なってしまってほしい」ということ。この 「ななむ」が使われている他の歌については 392番の歌のページを参照。

   "目の前に" というのは、文字通りに解せば 「目の前にいる」ということだが、ここでは 
「古今和歌集全評釈  補訂版 」 (1987 竹岡正夫 右文書院 ISBN 4-8421-9605-X) などで述べられている通り、「現世」という意味と見て、「こむ世/目の前/昔」を 「来世/現世/前世」ととっておくのが自然だと思われる。

  「つれなき人」という言葉を使った歌の一覧については、486番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/29 )   
(改 2004/01/23 )   
 
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