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古今和歌集の部屋
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巻十二
寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた
壬生忠岑
566
かきくらし 降る白雪の 下ぎえに 消えて物思ふ ころにもあるかな
かきくらし ・・・ 暗くして
下ぎえ ・・・ 降った雪の下の方が解けること
あたりを暗くして降る白雪の「下ぎえ」のように、表にあらわさないまま意気消沈して物思いをするこのごろである
、という歌。 "下ぎえ" という言葉は普通 「積もった雪の下の方が解けること」とされるがイメージしづらい。歌の内容からは上から雪が降りつつ、目立たないところで地表あるいは屋根の熱によって溶ける雪ということであろうか。
「下ぎえ」という言葉からは、
500番
の 「かやり火」の 「下もえ」の歌や、
530番
の 「かがり火」の
「下にもゆる」歌が連想され、そこから 「下ぎえに、消えて」という重ね方とは異なるが、似た感じの言葉遣いのものとして、
791番
の「もえても春を 待たましものを」という伊勢の歌が思い出される。
( 2001/11/28 )
(改 2003/12/25 )
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