Top
>
古今和歌集の部屋
>
巻十二
寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた
藤原興風
567
君恋ふる 涙の床に 満ちぬれば みをつくしとぞ 我はなりぬる
みをつくし ・・・ 船に道筋を教えるために水の中に打った杭 (澪標)
あなたを思う涙で床が満ちてきたので、その中にいる私は「澪標」(みをつくし)になってしまった
、という歌。 「澪標」に 「身を尽くす」ということを掛けているが、歌の内容にあまり沿わないので、隠し味と見ておいた方がよいような気がする。 「君−涙−満ちぬ」という前の言葉の中に 「みをつくし」の 「み」がちりばめられている。面白い趣向の歌である。
"みをつくし" の 「澪」(みを)は水路ということで、雑歌上の次の読人知らずの歌にも出てくる。
882
天の河 雲の
みを
にて はやければ 光とどめず 月ぞ流るる
( 2001/11/29 )
(改 2003/12/25 )
前歌
戻る
次歌