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古今和歌集の部屋
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巻十四
題しらず
藤原忠行
680
君と言へば 見まれ見ずまれ 富士の嶺の めづらしげなく もゆる我が恋
見まれ見ずまれ ・・・ 見ようと見まいと関係なしに
めづらしげなく ・・・ 変わることなしに
藤原忠行は生年不詳、没年906年。890年従五位下。古今和歌集に採られている歌はこの一首のみ。
あなたのことといえば、逢おうと逢うまいと、富士の山の火のように、常にこの心は恋しい思いで燃えます
、という歌。
"君と言へば" という部分が少しわかりづらいが、その名を口に出したり、ふと誰かが言っているのを耳にしたりすると、という感じであろう。 「〜と言へば」という表現を使った歌の一覧は
635番
の歌のページを参照。 "見まれ見ずまれ" の 「まれ」は 「も+あれ」が短縮されたもの。この歌に続けて 「見ゆとは見えじ」という伊勢の
681番
の歌が置かれている。
( 2001/10/17 )
(改 2004/01/23 )
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