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       題しらず 読人知らず  
718   
   忘れなむと  思ふ心の  つくからに  ありしよりけに  まづぞ恋しき
          
     
  • ありし ・・・ 以前
  • けに ・・・ いっそう
  • まづ ・・・ 真っ先に
  
忘れようと思うとたちまち、前にも増して真っ先に恋しい気持ちが出てくる、という歌。 "思ふ心の 
つくからに" の 「心つく」は 「思いつく」、「からに」は 「たちまち」ということで、638番の「いまはの心 つくからに」という藤原国経の歌でも使われている。 「からに」という言葉を使った歌の一覧は 249番の歌のページを参照。

  恋歌四にはこの歌に続けて、同じ 「忘れなむ」ではじまるっている次の読人知らずの歌が置かれているが、この歌に比べると、どうも内容がわかりづらい。

 
719   
   忘れなむ   我をうらむな  郭公  人の秋には  あはむともせず
     

( 2001/12/04 )   
(改 2004/03/08 )   
 
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