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古今和歌集の部屋
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巻十四
題しらず
読人知らず
744
あふまでの 形見も我は 何せむに 見ても心の なぐさまなくに
何せむに ・・・ 何をしようというものか
次に逢うまでの形見も、今の私には何の意味もありません、見ても心がなぐさまないのですから
、という歌。 「形見」はそれを見て人を偲ぶものだが、逢いたい気持ちで一杯の自分は、そんな落ち着いた気持ちにはなれません、という感じか。二つ先の読人知らずの歌では、さらに 「形見」は次のように詠われている。 「形見」という言葉を使った歌の一覧は
743番
の歌のページを参照。
746
形見こそ
今はあたなれ
これなくは 忘るる時も あらましものを
最後の "なぐさまなくに" の「なくに」は、文末/区切りにあって否定の詠嘆を表す。 "何せむに"
という 「やりきれなさ」からの詠嘆であると見たい。 「〜なくに」という言葉を使った歌の一覧は
19番
の歌のページを参照。
( 2001/11/08 )
(改 2004/02/25 )
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