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       題しらず 読人知らず  
817   
   あらを田を  あらすきかへし  かへしても  人の心を  見てこそやまめ
          
     
  • あらを田 ・・・ 荒れた田、または新しく開拓した田
  
荒れた田を粗く鋤き返すように、何度繰り返してでも、あの人の本心を見極めるまではこの恋は終わりにしない、という歌。 "あらすきかへし" の 「あら」は名詞のようでもあり、「粗・荒」という接頭語のようでもある。この 「あら」が繰り返されていることにより、何としてもという気持ちが強調されていて、怨念に近いような感じもする。

  繰り返すというイメージが、一つ前に置かれた 816番の「わたつみの 我が身こす浪 立ち返り」という歌から引き継がれている。 「人の心」という言葉を使った歌の一覧については 651番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/27 )   
(改 2004/03/10 )   
 
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