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古今和歌集の部屋
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巻十七
題しらず
読人知らず
882
天の河 雲のみをにて はやければ 光とどめず 月ぞ流るる
みを ・・・ 川などで底が深くなっている場所 (澪)
天の川は雲の 「みを」で流れが早いので、月も光を留めず流れて行く
、という歌。 「雲」が流れると言わず、「月」が流れると言っている点が、この歌の趣向であろうが、そのために何を言っているのか今一つわからなくなっているようにも思える。
この歌の "月ぞ流るる" は
192番
の「
月渡る
見ゆ」と同じような、ある程度の時間の幅のある月の運行の譬えであると見えなくもないが、 "光とどめず" と言っているので、やはりここは中空でずっと照っていられない=すぐに雲に隠れるということであろう。
また、「天の河」と 「雲」と 「月」の関係は、
天の川は雲が急に早く流れる澪なので、雲と一緒に
月が流される
天の川は雲間の澪なので、そこでは
月が早く流され
、すぐにまた雲に隠れる
というどちらの見立てとも考えられるが、実景としては雲がバンバン流れてゆくその背景に天の川と月があり、雲と相対的に見て月が流れて見えるということなのであろう。
( 2001/11/29 )
(改 2004/01/30 )
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