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古今和歌集の部屋
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巻十九
七月六日たなばたの心をよみける
藤原兼輔
1014
いつしかと またく心を 脛にあげて 天の河原を 今日や渡らむ
いつしかと ・・・ 今や遅しと
またく心 ・・・ 急ぐ心
詞書は 「七月六日に牽牛の気持ちを詠んだ」歌ということ。歌の意味は、
今や遅しと、はやる気持ちから裾を上げて脛を出し、天の河原を今日渡ろうか
、ということ。明日、七月七日まで待てない、ということであろう。
歌の中の "脛" は 「ハギ」と読み、意味は 「脛(すね)」のこと。 "またく心" の 「またく」は、諸説あって、はっきりとは意味が確定していない言葉のようである。この兼輔の歌は誹諧歌に分類されているが、秋歌上の
183番
に、同じ 「いつしか」という言葉を使った、「
いつしかと
のみ 待ち渡るべき」という忠岑の七月
八日
の歌がある
( 2001/12/06 )
(改 2003/02/13 )
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