帰るかりをよめる | 伊勢 | |||
31 |
|
伊勢は藤原継蔭の娘。生没年不詳。宇多天皇の后である藤原温子(=七条の后)に仕え、宇多天皇との間に子をもうけるが、その子は幼くしてなくなった。その後、宇多天皇の皇子である敦慶親王(あつよしのみこ)との間に中務(なかつかさ)をもうける。 春霞が立つのを見捨てて北へ帰ってゆく雁は、花のない里に住み慣れているのか、という歌。 "見捨てて" という言葉にインパクトがある。春霞が立つのは花の咲く前ぶれ、それを知らずに去って行く雁は...ということであろう。 春霞と雁を詠った歌には、他に 465番の在原滋春の「春霞 なかしかよひぢ なかりせば」という 「すみながし」の物名の歌や、次の読人知らずの秋歌がある。 |
210 |
|
||||||
「春霞」を詠った歌の一覧は 210番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/20 ) (改 2004/03/10 ) |
前歌 戻る 次歌 |