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 22首  
   伊勢 いせ
 
 
   生年   不明    没年   不明
 父   従五位上 藤原継蔭    母   ?

七条后・藤原温子に仕えた後、宇多天皇の皇子を生む。さらにその後、宇多天皇の皇子・敦慶親王との間に中務を生む。

 父の継蔭が伊勢守になったのは 885年(仁和元)八月。
 780番の歌の詞書にある父の継蔭が大和守になったのは 891年(寛平三)一月。

−− 年代考 −−
藤原温子が宇多天皇の女御になったのは 888年(仁和四)。当時、伊勢が十代とすると生れは870年代か。 「後撰和歌集」巻二十1394に 938年(天慶 元)十一月に没した勤子内親王を悼む歌があるので、少なくともその頃までは存命であったと思われる。
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巻一  0031  春霞 立つを見捨てて ゆく雁は 花なき里に 住みやならへる  春歌上
巻一  0043  春ごとに 流るる川を 花と見て 折られぬ水に 袖や濡れなむ  春歌上
巻一  0044  年をへて 花の鏡と なる水は 散りかかるをや 曇ると言ふらむ  春歌上
巻一  0061  桜花 春くははれる 年だにも 人の心に あかれやはせぬ  春歌上
巻一  0068  見る人も なき山里の 桜花 ほかの散りなむ のちぞ咲かまし  春歌上
巻三  0138  五月こば 鳴きもふりなむ 郭公 まだしきほどの 声を聞かばや  夏歌
巻十  0459  浪の花 沖から咲きて 散りくめり 水の春とは 風やなるらむ  物名
巻十三  0676  知ると言へば 枕だにせで 寝しものを 塵ならぬ名の 空に立つらむ  恋歌三
巻十四  0681  夢にだに 見ゆとは見えじ 朝な朝な 我が面影に はづる身なれば  恋歌四
巻十四  0733  わたつみと 荒れにし床を 今さらに はらはば袖や 泡と浮きなむ  恋歌四
巻十四  0741  ふるさとに あらぬものから 我がために 人の心の 荒れて見ゆらむ  恋歌四
巻十五  0756  あひにあひて 物思ふころの 我が袖に 宿る月さへ 濡るるかほなる  恋歌五
巻十五  0780  三輪の山 いかに待ち見む 年ふとも たづぬる人も あらじと思へば  恋歌五
巻十五  0791  冬枯れの 野辺と我が身を 思ひせば もえても春を 待たましものを  恋歌五
巻十五  0810  人知れず 絶えなましかば わびつつも なき名ぞとだに 言はましものを  恋歌五
巻十七  0920  水の上に 浮かべる舟の 君ならば ここぞとまりと 言はましものを  雑歌上
巻十七  0926  たちぬはぬ 衣着し人も なきものを なに山姫の 布さらすらむ  雑歌上
巻十八  0968  久方の 中におひたる 里なれば 光をのみぞ たのむべらなる  雑歌下
巻十八  0990  飛鳥川 淵にもあらぬ 我が宿も 瀬にかはりゆく ものにぞありける  雑歌下
巻十八  1000  山川の 音にのみ聞く ももしきを 身をはやながら 見るよしもがな  雑歌下
巻十九  1006  沖つ浪 荒れのみまさる 宮の内は 年へて住みし 伊勢の海人も  雑体
巻十九  1051  難波なる 長柄の橋も つくるなり 今は我が身を 何にたとへむ  雑体