あひ知れりける人のまうできて、かへりにけるのちによみて、花にさしてつかはしける | 紀貫之 | |||
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一目見たあなたが来るかどうかと、今日一日待ってみて、それでも来なければ、桜の花よ、散るなら散ってしまってもしょうがないな、という歌。 74番の惟喬親王の「桜花 散らば散らなむ」という歌を意識して作られたものであろうが、歌としては貫之のこの歌の方が柔らかく、こなれている感じがする。 "散らば散らなむ"という最後の繰り返しの前に「ひと目見し−待ちみて」という 「見る/みて」という二つの言葉が置かれているのが特徴である。他に 「ひと目見る」という言葉を使った歌としては、恋歌三に次の小野小町の歌がある。 |
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この二つを並べると、貫之の方はどちらかというと女性の歌、小町の方は逆に男性の歌のように見えて面白い。 |
( 2001/09/27 ) (改 2003/10/15 ) |
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