奈良のみかどの御うた | 奈良帝 | |||
90 |
|
古里となった奈良の都にも、色は変わらずに花が咲いたことだ、という歌。古くなれば色褪せるのが普通なのに、という含みがある。 詞書でこの歌の作者とされている 「奈良のみかど」とは平城天皇(774 - 824)であり、本当にこの歌が平城天皇のものかどうかは別として、薬子の変(810年)で、重祚して平城京に都を戻そうとしたという事実は、この歌の雰囲気と合う。 他に 「奈良のみやこ」を詠んだ歌としては、次の二条(二条の后とは別人で、源至の娘と言われる)の歌がある。 |
986 |
|
|||||
また詞書で別の背景を示してはいるが、42番の貫之の「人はいさ 心も知らず ふるさとは」という歌は、この 「奈良のみかど」の歌をベースにしているようにも思われる。 |
( 2001/10/22 ) (改 2004/03/11 ) |
前歌 戻る 次歌 |