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       題しらず 読人知らず  
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   鳴き渡る  雁の涙や  落ちつらむ  物思ふ宿の  萩の上の露
          
        鳴いて渡ってゆく雁の涙が落ちたのだろうか、物思いにふける人の庭の萩に置く露は、という歌。わかりやすいが、イメージは平凡で、言葉遣いがくど過ぎて、無理に泣かせようとする芝居のように品がない。フンが落ちたら白玉か、という茶々を入れたくなるような歌である。

  ただし藤原定家はこの歌を、古今和歌集の歌のうち十本の指に入るものとして「八代集秀逸」でとり上げている。その十首の一覧は 365番の歌のページを参照。

  「萩」を詠った歌の一覧は 198番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/07 )   
(改 2004/02/11 )   
 
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