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       題しらず 読人知らず  
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   秋萩の  下葉色づく  今よりや  ひとりある人の  いねがてにする
          
     
  • いねがて ・・・ 眠りづらい
  • 下葉 ・・・ 木の根元の方の葉
  
秋の萩の下葉が色づく季節、これからは独り身にはつらくて眠りづらいことになるだろうか、という歌。「下葉」は音的には「シタハ」の方が良いように思われるが「シタバ」と読むようである。 "今よりや" の「や」は疑問の助詞。

  これから秋が深まるにつれ、夜がますます寒く長くなり、寂しくて眠れないことが増えるのではないか、ということを 「萩の下葉」に凝縮して見ている感じもある。 211番の「萩の下葉も うつろひにけり」という歌と比べると、道具立てが少ない分、ストレートで伝わりやすい。 「萩」を詠った歌の一覧については 198番の歌のページを参照。

  "いねがてに" は、「寝ね+がてに」で 「寝(い)ね」は下二段活用の動詞「寝(い)ぬ」の連用形。
「寝(い)ぬ」を使った歌の一覧は 767番の歌のページを参照。また、「がてに」という言葉を使った歌の一覧はに 75番の歌のページを参照。また、「ひとり寝」を詠った歌の一覧は 188番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/10 )   
(改 2004/03/10 )   
 
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