これさだのみこの家の歌合せによめる | 壬生忠岑 | |||
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秋の野辺の草木が紅葉するのは、地に敷く 「夜の露」のせいばかりではなく、空から降る 「雁の涙」が調合されるためか、という歌である。 「雁の涙」と「露」の組み合わせは次の読人知らずの歌にあるが、それを広角にしてとらえた感じがある。 |
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一方、涙が紅葉させるという因果関係ではなく、「雁の声」を秋の段階を示す一つの時計として 「もみぢ」と関連させて詠ったものとしては、次の読人知らずの歌がある。 |
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また、この忠岑の歌の前後には 257番の藤原敏行の「白露の 色はひとつを いかにして」という歌と、259番の読人知らずの「秋の露 色いろことに 置けばこそ」という歌があるが、これら三つの歌に渦巻く 「白露−雁−色づく草木」というイメージは(歌の内容は異なるが)秋歌上に置かれた次の読人知らずの歌の中で先行して提示されている。 |
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( 2001/12/07 ) (改 2003/11/17 ) |
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