Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻五

       題しらず 読人知らず  
290   
   吹く風の  色のちぐさに  見えつるは  秋の木の葉の  散ればなりけり
          
     
  • ちぐさに ・・・ 様々に (千種に)
  
吹く風が様々な色に見えたのは、秋の木の葉が散ったせいだろう、というシンプルだが美しい歌である。 「見えつる」の 「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形。 "秋の木の葉の  散ればなりけり" という後半がゆったりとしていて余裕のある言葉づかいである。

  257番の藤原敏行の「秋の木の葉を  ちぢに染むらむ」いう歌と並べて見たい。 「吹く風」を詠った歌の一覧については 99番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/31 )   
(改 2004/02/24 )   
 
前歌    戻る    次歌