題しらず | 読人知らず | |||
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85番の「春風は 花のあたりを よぎて吹け」という藤原好風の歌と似ているが、こちらは歌の中に 「花」という言葉がなく、モノトーンに近い雰囲気である。 古今和歌集の配列からすれば、この歌は、「もう他は皆、散ってしまっていて、ここだけに花が残っている。それもかなり散ってしまっていて、残りわずか」という状況と見ることができる。まるでその木に春の最後の頼みをかけているような感じにも見える。 ちなみに 「吹く風」という言葉を使った歌には次のようなものがある。 「風吹く」という言葉を使った歌の一覧については 671番の歌のページを参照。また、「春風/秋風」については 85番の歌のページを、「山風」については 394番の歌のページを参照。 |
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"よぎよと言はまし"の 「まし」は反実仮想の助動詞で、その 「まし」が使われている歌の一覧は 46番の歌のページを参照。 |
( 2001/12/06 ) (改 2004/03/11 ) |
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