冬のうたとてよめる | 紀貫之 | |||
323 |
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雪が降れば、冬で活動を止めている草も木も、春には見られない花が咲くことだ、という歌。シンプルな内容で特に目立つ点はないが、魔法のパウダーという感じか。 "雪降れば" で始まる歌としては、337番の友則の梅の歌の方が印象が強い。 同じ貫之の歌にこの歌と同様の 「冬ごもり−雪−花」という次の歌がある。ざっと見ると似たようなものだが、よく見るとそちらでは花が 「散る」様子に見立ててあり、この歌の 「春に知られぬ花」が 「咲く」ことと分けていることがわかり、また 「冬ごもり」の使い方も多少変化を持たせている。 |
331 |
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"草も木も" という表現は、次の文屋康秀の歌にも見られる。 |
250 |
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雪が木に掛かる擬似的な花と考えると、同じく康秀の次の 「めど」の物名の歌も連想される。 |
445 |
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また、この歌が詞書でわざわざ 「冬のうたとてよめる」としているのは、 難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花 という仮名序にもある有名な難波津の古歌を思い出させるからかもしれない。 |
( 2001/07/24 ) (改 2003/12/01 ) |
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