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       人のむまのはなむけにてよめる 紀貫之  
371   
   惜しむから  恋しきものを  白雲の  たちなむのちは  なに心地せむ
          
        詞書にある「むまのはなむけ」とは、旅立つ人を送ることで、もともとは 「馬の鼻向け」(旅立つ方向に馬の鼻を向けて安全を祈ること)から来ている言葉とされる。

  
目の前にいて別れを惜しんでいる時から恋しいものを、いなくなってしまった後はどんな心地がするだろう、ということを「白雲が立つー人が発つ」の掛詞を使って表わした歌である。非常に一般的な物言いだが、近くにかっこうの材料がある時は貫之の離別歌は次のようになる。

 
384   
   音羽山  こだかく鳴きて  郭公   君が別れを  惜しむ べらなり
     
        「白雲」を使った歌の一覧は 30番の歌のページを参照。

 
( 2001/09/10 )   
(改 2004/01/27 )   
 
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