越へまかりける人によみてつかはしける | 紀利貞 | |||
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帰ってくるという名を持つ 「かへる山」が行く先にあるとはいえ、別れてしまえば必ず恋しくなるでしょう、という歌。 "春霞" という言葉を入れているので春の別れであろう。 31番の伊勢の「春霞 立つを見捨てて ゆく雁は」という歌も思い出される。 「春霞」を詠った歌の一覧は 210番の歌のページを参照。 「かへる山」は、琵琶湖の北に位置する敦賀湾の東岸の五幡(いつはた)・杉津あたりから、その東にある今庄(いまじょう)に抜けるあたりの地域の山と言われている。都から越前の国府のあった武生(たけふ)の方に行くための通り道にあったのであろう。万葉集・巻十八4055番の大伴家持の次の歌もこのあたりを指していると思われる。 可敝流廻(かへるみ)の 道行かむ日は 五幡の 坂に袖振れ 我れをし思はば 古今和歌集の中で、この他に 「かへる山」を使った歌としては、次の躬恒の歌と在原棟梁(むねやな)の歌がある。 |
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"恋しかるべし" の 「恋しかる」は 「恋しくある」ということの短縮形。同じような 「〜かるべし」という表現を使った歌の一覧については 270番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/27 ) (改 2004/02/26 ) |
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