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       きちかうの花 紀友則  
440   
   秋ちかう  野はなりにけり  白露の  おける草葉も  色かはりゆく
          
        「あキチカウ ノハナりにけり」の部分に 「きちかうの花」を詠み込んでいる。 428番や 429番、そして同じ友則の 442番の歌と同様、「の花」まで入れているところに面白味がある。 「桔梗(きちかう)」は今のキキョウのこと。

  歌の意味は、
野では秋が近くなり、白露が置く草葉も色が変わってゆく、ということ。この歌から秋の紫系の花が三つ続く。次の読人知らずの歌は 「紫苑(しをに)=シオン」の物名の歌である。

 
441   
   ふりはへて  いざふるさとの  花見むと  こ しを匂 ひぞ  うつろひにける
     

( 2001/12/11 )   
(改 2004/01/14 )   
 
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