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       しをに 読人知らず  
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   ふりはへて  いざふるさとの  花見むと  こしを匂ひぞ  うつろひにける
          
     
  • ふりはへて ・・・ わざわざ
  「こ
シヲニほひぞ」の部分に題の 「紫苑(しをに)」が含まれている。「紫苑(シオン)」はキク科の多年草。薄紫の花をつける。

  歌の意味は、
わざわざ昔なじみの場所に花を見ようと意気込んで来たのに、その姿はもう色褪せていた、ということ。 "にほひ" は、その前に "花見むと" とあるので、122番の「春雨に  匂へる色も あかなくに」という読人知らずの歌などと同じく花の姿の美しさと考えることができる。 「匂ふ」という言葉を使った歌の一覧は 15番の歌のページを参照。 「うつろふ」という言葉を使った歌の一覧については 45番の歌のページを参照。

  "ふりはへて" という言葉を使った他の歌としては、22番に貫之の 「袖ふりはへて 人のゆくらむ」という若菜摘みの歌がある。

 
( 2001/12/11 )   
(改 2004/01/14 )   
 
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