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       題しらず 読人知らず  
502   
   あはれてふ  ことだになくは  なにをかは  恋の乱れの  つかねをにせむ
          
     
  • あはれ ・・・ 心を動かされた時の感嘆詞
  • つかねを ・・・ まとめるために縛る紐 (束ね緒)
  
「あはれ」という言葉さえも無かったら、何を恋で乱れる心をまとめる紐にしたらよいかわからない、という歌。 「あはれてふこと」という部分がわかりづらいが、一般的には 「あはれ」とつくため息のことだと解釈されている。「あはれ」という言葉を使った歌の一覧は 939番の歌のページを参照。 「〜てふ」という表現を持った歌の一覧は 36番の歌のページを参照。

  498番の歌のように声を上げて泣くとまでは言わないけれど、もうじっと黙って忍びつづけるわけにはいかない、そのため息によって人に心の内が知られてしまうとしても、それ以外に 「恋の乱れの束ね緒」が見つからない、ということだろう。

  「だに」という言葉を使った歌の一覧については 48番の歌のページを、「〜なくは」という言葉を使った歌の一覧は 14番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/29 )   
(改 2004/02/25 )   
 
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