歌たてまつれと仰せられし時によみてたてまつれる | 紀貫之 | |||
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桜を白雲と見たか、白雲を桜と見たか微妙なところであるが、遠景でぼんやり見える白いものを 「白雲」と言い、それを 「桜が咲きはじめたようです」と詠っているものか。 「白雲」を使った歌の一覧は 30番の歌のページを参照。この歌の後には、桜を雪と見る次の友則の歌が続く。 |
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桜と雲の組み合わせは古今和歌集では意外に少なく、この貫之の歌以外には 358番の躬恒の「山高み 雲ゐに見ゆる 桜花」の歌があるだけである。その代わりに 「霞」が使われている歌は多く、中でも "山のかひより 見ゆる" というこの歌の 「すき間から覗く感じ」を、貫之は次の恋歌で 「霞」を使って表現している。 |
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( 2001/12/10 ) (改 2004/01/27 ) |
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