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       寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた 菅野忠臣  
809   
   つれなきを  今は恋ひじと  思へども  心弱くも  落つる涙か
          
        菅野忠臣(すがののただおむ)は生没年不詳、879年従五位下。古今和歌集に採られている歌はこの一首のみ。

  歌の意味は文字通りで、
つれない人をもう思わないと決心しても、心が弱く、やはり落ちてしまう涙であることよ、ということ。 "今は恋ひじ" という強い言い方と "心弱くも 落つる涙か" という後半のコントラストがはっきりしていて、わかりやすい歌である。

  「つれなき人」を詠った歌の一覧は 486番の歌のページを参照。また、この歌の 「つれなきを」というフレーズは 865番の「うれしきを 何につつまむ 唐衣」という読人知らずの歌を思い出させる。 
「思へども」という言葉を使った歌の一覧は 373番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/02/17 )   
 
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