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古今和歌集の部屋
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巻十三
題しらず
在原元方
626
あふことの なぎさにしよる 浪なれば うらみてのみぞ 立ち返りける
なぎさ ・・・ 波打ち際 (渚)
「逢うことの無き」に「なぎさ」の「なき(ぎ)」を掛け、「浦見て−恨みて」、「波が返る−帰る」を掛けている。
逢うことができなかったので、波が浦を見てまた返ってゆくように、私もあなたを恨んで帰ってきました
、という歌。
恋歌一の
474番
に同じ元方の 「浪/立ち返る」を使った恋のはじめの歌があり、それと並べて見ると局面の違いが感じられる。また、「あふことの なぎさ」と 「人に心を 沖つ白浪」、どちらも強引な言葉のつなぎだが、歌としてはこの 「なぎさ」の歌の方がまだ姿が整っているように思われる。 「立ち返る」という言葉を使った歌の一覧については
120番
の歌のページを参照。
( 2001/11/26 )
(改 2004/01/15 )
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