巻一 |
0001 |
年の内に 春はきにけり ひととせを 去年とや言はむ 今年とや言はむ |
春歌上 |
巻二 |
0103 |
霞立つ 春の山辺は 遠けれど 吹きくる風は 花の香ぞする |
春歌下 |
巻二 |
0130 |
惜しめども とどまらなくに 春霞 かへる道にし たちぬと思へば |
春歌下 |
巻四 |
0195 |
秋の夜の 月の光し あかければ くらぶの山も 越えぬべらなり |
秋歌上 |
巻四 |
0206 |
待つ人に あらぬものから 初雁の 今朝鳴く声の めづらしきかな |
秋歌上 |
巻五 |
0261 |
雨降れど 露ももらじを 笠取りの 山はいかでか もみぢ染めけむ |
秋歌下 |
巻六 |
0339 |
あらたまの 年の終りに なるごとに 雪も我が身も ふりまさりつつ |
冬歌 |
巻十一 |
0473 |
音羽山 音に聞きつつ あふ坂の 関のこなたに 年をふるかな |
恋歌一 |
巻十一 |
0474 |
立ち返り あはれとぞ思ふ よそにても 人に心を 沖つ白浪 |
恋歌一 |
巻十一 |
0480 |
たよりにも あらぬ思ひの あやしきは 心を人に つくるなりけり |
恋歌一 |
巻十三 |
0626 |
あふことの なぎさにしよる 浪なれば うらみてのみぞ 立ち返りける |
恋歌三 |
巻十三 |
0630 |
人はいさ 我はなき名の 惜しければ 昔も今も 知らずとを言はむ |
恋歌三 |
巻十五 |
0751 |
久方の 天つ空にも すまなくに 人はよそにぞ 思ふべらなる |
恋歌五 |
巻十九 |
1062 |
世の中は いかにくるしと 思ふらむ ここらの人に うらみらるれば |
雑体 |