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古今和歌集の部屋
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巻十四
題しらず
読人知らず
711
いで人は ことのみぞよき 月草の うつし心は 色ことにして
いで ・・・ さあ、さても
月草 ・・・ ツユクサ
うつし心 ・・・ 本心 (現し心)
さて、言葉だけではいいことを言って、本心は別のくせに
、という歌。ここでの"人"は、「人というもの」あるいは 「あの人」とも考えられるが、「あなた」と相手を指しているものであろう。
42番
の貫之の「人はいさ 心も知らず」という歌の 「人」と同じである。
"月草の うつし心" は、月草の 「移し」(=花の色を染み込ませておいて、必要な時にそれで衣を染められるようにしてある布や紙のこと)と 「現し心」をかけている。 「月草」という言葉は、次の秋歌上にある読人知らずの歌でも使われている。
247
月草に
衣はすらむ 朝露に 濡れてののちは うつろひぬとも
「いで」という言葉を使った歌の一覧は
508番
の歌のページを参照。
( 2001/11/08 )
(改 2004/02/18 )
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