題しらず | 読人知らず | |||
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偽りのない世の中であれば、どれほどあなたの言葉がうれしいことか、というシンプルは歌。 現代の感覚で言えば "人の言の葉" は 「人の言葉の」とあった方が語調がよいように思われるが、のったりとした言い方が恨みの感じを出しているとも言える。ちなみに古今和歌集の中で 「言葉」という語が使われている歌はない。 「言の葉」が使われている歌の一覧は 688番の歌のページを参照。 この歌の "人の言の葉 うれしからまし" という部分は、 387番の白女(しろめ)の歌の「なにか別れの かなしからまし」という部分を思い出させる。この 「うれしからまし」は 「からまし」というかたまりが印象に残るので 「うれし+(から+まし)」のように見えるが、「うれしから+まし」で、「うれしから」は形容詞「嬉し」の未然形である。似たような形容詞の未然形+反実仮想の助動詞「まし」のかたちを持つ歌を一覧にしてみると次の通り。 |
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また、201番に「声する方に 宿やからまし」という読人知らずの 「松虫」の歌があるが、これは 「から+まし」で、四段活用の動詞「借る」の未然形+「まし」である。その他のかたちで 「まし」を使っている歌の一覧は 46番の歌のページを参照。 「うれし」については 709番の歌のページを参照。この歌に続けては、内容が似た次の読人知らずの歌が置かれている。 |
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「いつはり」という言葉が使われている歌については 576番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/26 ) (改 2004/03/07 ) |
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