題しらず | 読人知らず | |||
731 |
|
"降る日となれば" には 「古人(ふるひと:=もう縁が切れた過去の人)なれば」が掛けられており、意味的には 「春雨が降る日になると、袖が濡れる」という原因結果のつながりはなく、「春雨」は 「ふる」を導くと共に、袖を濡らすものとしての縁語として使われているのであろう。 「春雨」を詠った歌の一覧は 88番の歌のページを参照。 また、 "かげろふ" は自分の様子を指しているとも考えられなくもないが、 "それかあらぬか" という感じからすると、相手を指しているものと見てよいだろう。 「それかあらぬか」という言葉を使った歌としては、159番に「郭公 それかあらぬか 声のかはらぬ」という読人知らずの歌がある。 |
( 2001/12/06 ) (改 2004/02/26 ) |
前歌 戻る 次歌 |