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古今和歌集の部屋
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巻十四
題しらず
読人知らず
732
堀江こぐ 棚なし小舟 こぎかへり 同じ人にや 恋ひ渡りなむ
堀江 ・・・ 掘って造った水路
棚なし小舟 ・・・ 左右の内側に棚のついていない小舟
こぎかへり ・・・ 舟を漕いで帰り
小さな舟が運河の決まった場所から出てそこに帰って来る様子にかけて、前の恋人を何度も思い返し恋続けるだろうか
、という歌である。 「堀江」は 「難波(の)掘江」(現在の大阪府大阪市を流れる大川)か、とも言われている。
この歌では、小舟が揺れながら戻ってくるイメージを心の揺れに合わせているが、恋歌一に置かれている次の読人知らずの歌では、「大舟」がゆっくりと揺れる様を物思いの様子に合わせている。
508
いで我を 人なとがめそ
おほ舟の
ゆたのたゆたに
物思ふころぞ
「恋ひ渡る」という表現を使った歌の一覧は
180番
の歌のページを参照。
( 2001/11/08 )
(改 2004/03/09 )
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